塗料の「期待耐用年数」に
ついて

塗料の「期待耐用年数」とは

塗料の期待耐用年数とは、促進耐候性試験による相対評価などによって推定された塗膜寿命のおおよその目安のことです。
プレマテックスでは期待耐用年数を「塗膜の下地保護機能が著しく低下し塗り替えが必要とされる時期の目安」としています。

外壁の塗膜は、紫外線・熱・雨・湿気といった自然環境に日々さらされることでゆっくりと劣化します。
表面の光沢が低下し、次第にチョーキングが進行し、やがてひび割れや剥離が発生して保護機能を失っていきます。

期待耐用年数は、こうした劣化の進行を踏まえた耐候性評価にもとづく「塗り替え時期の目安」です。

塗料の耐候性評価

促進耐候性試験における試験片(塗装板)の光沢保持率の変化をもとに、塗膜劣化の進行状況を4段階に分類しています。

【促進耐候性試験による劣化進行の分類】

  • 試験データを従来品や知見と照らし合わせながら総合的に評価
  • 複数の色で同様の検証を行い、平均的な傾向を算出したうえでグラフに反映
  • 40%未満の領域については実測データが限られるため、既存データとの相関をもとにした推定値として表示

期待耐用年数の推定について

塗料の期待耐用年数は、促進耐候性試験で得られたデータをもとに、実際の屋外環境に置き換えて算出しています。

試験機器と屋外ばく露とのおおよその換算倍率

試験機器 放射照度 1年間の放射露光量に対応する時間
スーパーUVテスター(メタルハライドランプ) 1500W/㎡ 50〜60時間/1年
530W/㎡ 150〜180時間/1年
スーパーキセノンウェザーメーター(キセノンランプ) 180W/㎡ 400〜500時間/1年
60W/㎡ 1400〜1500時間/1年

※日本における年間平均放射露光量を4500MJ/m²とし、紫外線波長域の年間露光量を各試験機器の試験時間に換算しています。
 換算倍率は一般的な試験機関の換算式に基づく目安値です。

期待耐用年数の設定基準

期待耐用年数の設定にあたっては、地域や立地条件などの環境差を十分に考慮したうえで、より実際の使用環境に近い年数を捉えるため、劣化初期から劣化進行期へ移行し始める時期を目安に期待耐用年数を設定しています。
試験機器の特性や傾向を踏まえ、安全性と確実性の両面から慎重に算出することで、さまざまな環境下でも高い信頼性を確保できるよう配慮した年数評価を採用しています。

※期待耐用年数は、塗膜の下地保護機能が著しく低下し塗り替えが必要とされる時期の目安であり、保証年数ではありません。また、各製品の標準塗装仕様に準拠し、適切な施工および環境条件下で塗装された場合を前提としています。

※期待耐用年数が経過しても、必ずしも直ちに塗り替えが必要な段階とは限りません。実際の建物では、色あせやチョーキングといった外観変化の程度を目安に、総合的にご判断ください。